ボローニャ国際絵本原画展 2015

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2015、ボローニャでの本展から引き続き、日本国内4カ所での巡回展が本日より始まりました。
僕は入選作品の「HOME」から5作品を展示しています。

ボローニャ国際絵本原画展に僕が最初に出会ったのは、高校生の頃、当時通っていたアトリエの本棚にあったボローニャの展覧会図録を、なんとなく手にとった時でした。
ちょうどその時期は、美術大学で絵は描きたいのだけど、洋画や日本画専攻は、何か自分のイメージとは漠然と違うような気がしていた時だったので、僕はその本棚の前で、こういう絵の世界もあっていいんだと、なんだかボヤけていた頭の中の焦点が、ピタリと合ったような気持ちになりました。
その図録に載っていた絵が、僕の中にもあった絵本イコール子ども向け、というイメージを軽々と壊し、絵というものの自由さ、美しさ、はてしない可能性という道を、あらためて示してくれたのだと思います。今考えてみると、僕にとっては色んな意味でのはじまりだったのかもしれません。

僕があの時手にした図録は、たしか80年代のもので、デザイン的な絵にも、恐ろしい絵や毒々しい絵にも、美しさを感じました。一見可愛らしい絵の奥にある影もじつに魅力的でした。
今年の図録にそのような魅力があるかどうかはわかりません。けれど、展覧会場か、どこかの本棚の前で、どこかの少年少女があの時の僕のように、わぁとなってくれたらいいなぁと願っています。

 

板橋区立美術館(東京都)
2015年7月4日~8月16日

西宮市大谷記念美術館 (兵庫県西宮市)
2015年8月22日~9月27日

高浜市やきものの里かわら美術館 (愛知県高浜市)
2015年10月3日~11月1日

石川県七尾美術館 (石川県七尾市)
2015年11月6日~12月13日

 

写真は、春に開催されたイタリア・ボローニャでの本展の様子です。